1 作成目的
地域ごとの景気変動パターンの独自性が注目され、地域においても他地域との景気変動パターンの違いを把握することが重要である。
地域の景気動向を的確・早期に把握するため、地域版CLI(Composite Leading Indicators:景気先行指数、以下CLIという。)を作成する。
2 CLIの特徴と作成方法
(1)特徴
CLIは、景気転換について早期のシグナルを与えるように設計されている。
生産の初期段階を計測し,経済活動の変化に迅速に反応し,将来の活動に関する期待に感応的であると考えられることから,景気動向に先立った政策立案に有効である。
(2)作成方法
①データの読み込み
景気動向指数の個別指標(月次データ)を収集し、整理(エクセルデータ)する。
②データの変換
期種変換(月次、四半期次)、季節調整(加算式または乗算式)、一定比率のもとでの外れ値の設定などを行う。
③トレンド除去と平滑化
④指定系列の集計
採用する系列を指定し、ウェイトを変更しながら個別CLI を合成する。
⑤転換点の検出
ブライ・ボッシャン法を用いて指定された系列の転換点を求め、参照系列と比較する。
⑥実際の景気転換点(景気基準日付)を設定する。
ソフトウエア(CACIS; Cyclical Analysis and Composite Indicators System )を利用する。
兵庫県のCLIを県の景気動向指数先行指数の個別指数全体を用いて試算した。その今月の結果は以下の通り。
データ
兵庫CLIダッシュボード1(個別指標加工プロセスチャート)
兵庫CLIダッシュボード2(個別指標ビジネスサイクルクロックチャート)
消費税率改定時(1994年4月、2014年4月、2019年10月)と兵庫CLIの動き(20200210 兵庫県景気動向懇話会資料)
コロナショック前後のCLIと先行指数個別系列について(20201009 兵庫県景気動向懇話会資料)
2020~2021年のコロナ禍における兵庫CLIの動き(20220311 兵庫県景気動向懇話会資料)
2020~2022年のコロナ禍における兵庫CLIと物価の動き(20230310 兵庫県景気動向懇話会資料)
2020~2023年の兵庫県版 CLI の現状分析及び見通しについて(20240219 兵庫県景気動向懇話会資料)